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多和田常務理事ブログ「コロナウイルス」その2

新コロナウイルスの流行を30年前に予測した新聞記事があると聞いて調べてみた。それは平成2年1990年5月2日の岐阜新聞の記事であった。一面見出しの「2020年人類の半数が伝染病に」に思わず目がいく。この根拠になったのは「WHOの温暖化の健康被害予測」である。副題として「病原体原虫や蚊繁殖」「オゾン層破壊、免疫力の低下を招く」などとショッキングな見出しが続く。更にWHO報告書の「結論と勧告」の要旨が紹介されている。少し長くなるが引用したい。①地球温暖化とオゾン層破壊による影響は複雑で一地域にとどまらず広範囲に及ぶとみられる。主な健康影響は「熱ストレス」「大気汚染」「伝染病流行地域の変化」「栄養不良」「洪水」によってもたらされる。②各国政府の健康政策担当官庁は、気候変化が住民にどのような被害をもたらすか明らかにするために、気候変化と健康影響との関係を総合的に検討する作業に着手すべきだ。③地球温暖化は動物媒介感染症の分布を変化させる可能性がある。このため国内、国際的対策を進める必要がある。関係官庁は、感染症を媒介する動物対策や予防接種、投薬治療を検討すべきだ。以上であるが、その予測の正確さに驚かされる。昨今マスコミに頻繁に現れる「熱中症」「過去に経験のない豪雨」「土砂災害」「洪水」「鶏ウイルス」「豚ウイルス」「ワクチン接種」など、ことごとく符合する。このWHOの勧告に対して世界が出した結論が、2015年9月のニューヨーク国連本部で採択されたSDGsだ。国連加盟国193ヶ国が2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットを決めた。目標の13が「気候変動に具体的な対策を」で、ターゲットは13.2「気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む」そのために13.3「気候変動に関する教育、啓発、制度機構の改善」を行う内容である。日本も2050年のカーボンニュートラルを宣言した。目標達成には私たち一人一人の行動がキーファクターとなる。

多和田常務理事

多和田悦嗣

理念経営協会 常務理事 キリンホールディングス株式会社 元常務取締役

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